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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその67

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もりそば 800円

自家製粉・石臼挽き手打ち蕎麦「三日月」 
東京都中央区八重洲2-10-7 丸万ビル1F TEL03-3516-6801

 絵に見方があるのかどうか判らないけれど・・・。特に抽象画の場合はどのように見ればいいのか判らない事ってありませんか?。そんなときオサルスは作家に聞くのが一番だと思っています。
その人によって何故作らねばならないのか、動機は必ずあるはず。でもだからって犯人探しをする訳ではないんですよ。絵を見る事は人の頭の中を覗く事。論理的に構築出来れば評論家。オツムの弱いオサルスにはとて〜〜〜も無理。兎に角ハズすのは慣れっこなので外野の意見は気にしないでLet's talk!

10月21日から(11月9日まで ギャラリー川船)鉛筆画の個展開催の真島直子さんに作品についてお聞きしました。

●鉛筆で描かれたこの作品は時間は掛かりますよね。

 「文字を書くように鉛筆を走らせればもっと早く書けるけれど・・・、時間を掛ける事は重要ではなくて、鉛筆を走らせた書き方だと不思議な事に魅力が出ないんですよ。一種の呪文じゃないけど・・・」

え? 唱えながら書いてるんですか。

「そうじゃなくて、その位の気分にならないと・・・気合を入れないと出来てこないのよね」

●『気』を張ってないと描けないですね。

「だから頭がおかしくなっちゃうのよ。ハハハ・・・」

●下書きは? 何処から描き始めるんですか?

「一切ないです。 決まってません」

●では漠然と構想があって描こうと思うのですか。

 「 初めにエスキースみたいな構想を持たないようにしてるんです。むしろ排除しながらものを作っていくというか、意識がそこに動いていく訳だから・・・全て偶然性なのかと言えばそうでもないんです。説明するのは難しいですね。
あまり頭で考えると描けないんですよ。最初から作戦練ると大体失敗するのよね。我々は誰でも皆もう教育受けちゃっているでしょ。そうすると頭で構築して、理屈で整理したものに飽き飽きしてるというか。一時期それを大前提にコンセプチュアルアートがやってきた訳だけれども、自分はそういうものを逆に否定していく仕事だと思うのね。
極端な事をいうと自分の頭の中を自分が覗いてみたいから絵を描いているようなものですよ。そういう作業じゃないかと・・・」

●なるほど。判り易いですね。おっと! 今日はランチをご一緒して頂くんです。でもお昼はあまり食べないとお聞きしましたが?

「朝はたっぷり食べますよ。仕事を始めると集中して疲れるからお昼を食べると、また前の緊張感を取り戻すのに相当時間が掛かるので・・・」

●定番の質問ですが、美術家になる切っ掛けは?

「父が絵描きでしたから、父はシュールの流れと言うか・・・」

 川船さん:「戦前の福沢一郎の研究所に初めから関わっていた真島建三さんですよ」

●でもご自身が絵を描く切っ掛けは何だったんですか。

 「ずっと何かスピリチュアルな事をしたいと・・・父に触発されて影響を受けて父は昔の絵描きだから、パンの為に生きるなんてという・・・『パンよりも精神』というか。今から思えばカッコつけてただけだけどね。それが凄く重要な事だと思ってたんですよ。子供もながらに何か自分の表現できるような事をやりたいと思い始めたんです」

●大学は芸大の油画に入学されて・・・立体を作り始めた切っ掛けは?

「芸大に対しての反発が一番です。若い時に表現の手段を色々なものに向けたい。と、あまり一つの手段に拘(こだわ)る事はないと」

●今の油画科の学生は平面も立体も作りますよね。

「今は当たり前だけれどね。美術は単なる一つの表現手段であって、あまり美術そのものに囚われる必要はない。美術じゃなくても何でもいいんです。音楽でもパフォーマンスでもね」

●立体は鯉の作品が有名ですが。反発から鯉を作る原動力が生まれたんですか?

 「作家なら当たり前だけれど誰もやってないことをやりたかったから、今まで見た事もないものを作りたかった事が大きいです。鯉は日本では歴史上の色々な絵のモチーフになっているでしょう。でも私はそういう鯉ではなくてもっと生々しい鯉を作りたかった 。
鯉は生命力の根源でもあるんです。私は初めから鯉の口が作りたかったです。あれはブラックホールのように呑み込んでしまうもの・・。下半身はいらなくて上半身だけの変なものになっちゃったんです」

はい! お待ちどうさまでした。

今日はもりそば(800円)を、
こちらの「三日月」さんは以前、京橋界隈の画廊オーナーがお昼を食べに来るお店としてご紹介した事があります。その時は『つゆ』の味がイマイチ気になったのですが・・・ 。

●川船さんはいつもここでお昼を召し上がるのですか。

「ここんとこね。昼は蕎麦が多くなってね。高いのが玉にキズだけど・・・」

●画商さんはやはり蕎麦ですかね。

「バブルの時代にある画商はフランス料理を食べないと元気がでないなんて言ってたな」

●だから崩壊しちゃったんですね。

 「ここの蕎麦は美味しいですね。私なんか金がないからバブルの時代はお握りを溶かして食べてたんですよ」

え!

●ここのつゆは生醤油の味がしますが・・・。

「ここはつゆが上手いんだよ。昔の東京の蕎麦屋は辛めのつゆだからダボっとつけないでちょっとつけて食べるんだ」

●ここは蕎麦を食べる処でつゆにつけるものではないんですね。

 「田舎の薄めの蕎麦はドボってつけないと食ったきしないけど、昔の江戸っ子は死ぬ前にもっと蕎麦をつゆにつけて死にたかったなんてあるからね。江戸っ子はちょっとつけてチャットすするのが粋だったから」

ん〜。なるほど。そう思って食べると美味しい。

●突然ですが88年から90年にかけて工藤哲巳さんと二人展をされてますが影響はどうですか。

 「彼の最晩年の頃に4回位一緒にやりました」

「よく言われるのが、真島さんが工藤哲巳の影響を受けてああいう作品になったと言われる事、そうではなくて真島直子は最初から真島直子なんです。工藤哲巳が逆に自分の資質によく似たものを見つけて彼女に近づいていったんです」

「大体コラボレーションは工藤さんからの要請だったから、私がそんな大御所に言う訳無いでしょ。作家としては致命的ですよ。だって作家は各個人でしょ。一緒にやれば呑み込まれてしまう。マイナスですよ。私は私で精一杯作品を作りました・・・でも彼にとっては私の存在が刺激的な存在だったんでしょう」

●鯉から平面に移った切っ掛けは?

「オブジェを乾かす間に小さいのを作っていたんです」

「一点だけいきなりデカイものを持ってきたんだよね」

●今年バングラディシュで大賞を受賞されて如何でした。変わった事はありましたか。

 「非常にラッキーでした。それと他の国々が身近に感じられるようになりましたね。日本は西洋の情報しかないでしょ。私たちも西洋絵画を主流にして勉強してきた訳で、ところがキリギスタンもあればブータンもある。知ってはいたけれど作品が一緒に並んだのでより身近に感じましたね」

「選んだ人も選ばれた人も女性でした。賞を獲ったのもコミッショナーが女性だったのも初めての事だったんです。ある意味グランプリを獲ってステップアップになったのは間違いないね。
はっきり言えるのは、でかい鉛筆画になって初めて人の目が作品に向くようになった。オブジェの場合は結構好き嫌いがはっきりする。鉛筆画になった時にそれそのものの持っている迫力もあるけれどどちらかというとモノクロの世界で判り易い。だからもう一度平面を見る目でオブジェを見ていけば違う風に見えるんですよ」

●オサルスは鯉の作品好きですが・・・。

 「男は怖がるんだよね。女性の生理的な部分が非常に強いでしょ。男にとっては社会生活が営めなくなるんだよ。こっちは社会生活に揺さぶりを掛けるのがアーチストの役目でもあるからしょうがないよね。人に嫌がれるのは関係ないよ」

「逆に訳の判らないものを嫌悪するのはそれだけの力があるから、何でもない作品は嫌悪感もないし、好きって感情にもならない訳で、そういう点で初めに嫌悪感をもつ事は悪いことではない。
その内作品の本質が見えてくればホントにどうしようもない単にエログロナンセンスのものであれば長続きしないしね。それの本質が判ってくれば180度見方が変わる事はよくある事だから」

「あの鉛筆画だって鉛筆だから皆安心してるけど・・・。同じなんですよ」

●今の時代はエネルギーが枯渇しているように感じるので、アーチストにはバーンとやって欲しいですね。

 「私は世の中段々面白くなってきたんです。やっとものをちゃんと見る時代になってきたから、今までは浮かれポンチなんですよ。当たり前の事が押し隠されて追いやられてきたんです。やっとその当たり前のものに目を向ける時代になってきたんですよ。生き物は皆現実を見て動くものでしょ」

●最後にこれからは? そしてモットーは?

「もう若くないし後がないから出来るだけ作品を作りたいですね。モットー? 決めてかからない事だね」

どうもありがとうございました。

 真島さんは現在、テキヤさんとご一緒に暮らしていらっしゃるとか。
その人はトラさんじゃないけど旅から旅への暮らしをされている方。トラさんふうに風の向くまま気の向くままに生きる事は、並大抵ではできないでしょうが、生き方としては理想的。

『死んだらそのうち誰かが片付けてくれるから、そう心配したもんじゃないと思うけどね』 と真島さん。

それもそうですね。死ぬまで生きるんだから、私もやりたいようにやらなきゃね。
あ! 忘れちゃいけない。
来る11月5日紀伊国屋ホールで見世物学会特別企画 『垣間見せる異界 見世物』 が催されます。
詳しくは見世物学会まで090-2458-0811  入場料2000円

真島直子 関連情報 2002.10 2001.10 2000.11 2000.11b 1999.7

ギャラリー川船 http://www.kawafune.jp/l

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